化粧品のキャリーオーバーとは
化粧品の成分表示は、日本でも2001年の4月から全成分表示の義務が課せられました。
化粧品に配合されている成分は、すべてビンかあるいはパッケージに記載しなければならない、
またその際には多く入っているものから最初に記載すること、といった取り決めがされました。
そのため、化粧品には必ず全成分が表示されています(医薬部外品を除く)。
しかし、キャリーオーバー成分については表示しなくても良い、という特例が付いています。
キャリーオーバーというのは、たとえば植物エキスを抽出するときに基材となるアルコールやエタノール、
溶剤、またその基材の防腐の目的で配合されているパラベンなど、成分抽出時に使用されるベースに含まれる加工助剤のことを言います。
これはオーガニックコスメにとってはとても大切なこと。無農薬で栽培している植物に、
有機肥料にのこった薬品が残留するといったことが起こります。また、抽出溶剤にパラベンが配合されている、
といったことも考えられます。しかし、すべて「キャリーオーバー」だから表示義務はありません。
たしかに、原料のさらにその前の原料、さらにはその前の不純物、といったところまで、
検査して1つ1つの成分を記載していたら、膨大な量になるかもしれません。
パッケージにわかりやすく簡潔に成分を表示するには、キャリーオーバーの表示義務までを課すのは確かに非現実的です。
だからこそ、各ブランド・各メーカーが、この「キャリーオーバー成分」をどのように扱うか、
その企業精神にかかってきます。
ブランドによっては、「キャリーオーバー成分」についても書かれているブランドがあります。
消費者にも、しっかりと製品を見極める目も必要です。
そもそも、キャリーオーバーというのは、繰り越している、残っているもの、と言った意味があります。
化粧品の場合、基材・溶剤として使った成分が、本商品の成分にも残ってしまっている、
といった意味づけになります。
成分が残ってしまう可能性がある限り、オーガニックコスメならばオーガニック基準に基づいた
配合にすべきです。